介護士が働く職場には、認知症ケアが必要な利用者もいます。施設によっては認知症ケア専門士というスペシャリストが常駐していますが、そうした施設においても介護士が認知症ケアに携わる機会は多かれ少なかれあるものです。
高齢者に多い認知症は、脳の知的機能が持続的に低下することによって社会生活に支障が出てしまう疾患を指します。アルツハイマー型認知症はその一つで、他にもいくつかの型があります。具体的にどんな症状が出るかは人によって異なり、物忘れをはじめとする記憶障害もあれば、暴力行為など重度のケースもあります。介護士が認知症ケアの基本的な知識やスキルを身に着けることによって、こうした認知症の利用者に対して、より高い品質の介護サービスを提供できるようになりますし、利用者や家族に対しても適切なアドバイスができます。
介護士が認知症ケアを学ぶ際には、いくつかのステップがあります。最初に行うのは認知症介護実践者研修で、これは実務経験2年以上の買い越しが対象となります。座学が1週間、その後実務が4週間程度かかりますが、1か月~2か月程度で学べる研修です。
その後は、約3か月間程度の介護実践リーダー研修をはじめ、認知症ケアにおいては最上死角となる介護指導者養成研修などもあります。いずれの資格や研修も、すべて働きながら学ぶことを前提としているため、学ぶために仕事を退職する必要はありません。また、職場によってはこうした研修を支援してくれる所もたくさんあります。